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Bruckner

ブルックナー研究

Bruckner
ブルックナー
(1824-1896)

このページは、管理人がDTMを利用したブルックナーの楽曲研究の過程を書き綴ったものです。
同一の条件で作成したmidi(MP3)によって版や稿による相違点を明確にすることを目指します。
なお、当該データの一部は、 musictrack で公開しています。


へ短調1番0番2番3番4番5番、6番、7番、8番、9番



交響曲 ヘ短調 WAB99

稿1863年
原典版 A-KR-C56-7
1楽章625小節
musictrackにて公開中!
14.5MB
2楽章128小節
musictrackにて公開中!
15.7MB
3楽章S:90小節
T:39小節
musictrackにて公開中!
6.4MB
4楽章372小節
musictrackにて公開中!
9.0MB

※3楽章の、Sは「スケルツォ」、Tは「トリオ」です。

交響曲ヘ短調は、ブルックナーの最初の交響曲で、1863年に完成しました。
ブルックナーはこの曲に番号をつけなかったので、現在ではヘ短調交響曲または習作交響曲などと呼ばれていますが、演奏される機会は少ないようです。
また、交響曲全集の録音でも割愛されることが多いようです。

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交響曲第1番 ハ短調 WAB101

稿 1865年
リンツ稿 Mus.Hs.6006
1866年
リンツ稿 Mus.Hs.3192
1877年
リンツ稿 Mus.Hs.3190
1890-91年
ウィーン稿 Mus.Hs.19.473
1楽章-356小節
musictrackにて公開中!
15.9MB
351小節345小節
2楽章-168小節
musictrackにて公開中!
15.1MB
168小節171小節
3楽章 S:59小節
T:39小節
musictrackにて公開中!
10.8MB
S:135小節
T:41小節
C:25小節
musictrackにて公開中!
6.3MB
S:135小節
T:39小節
C:24小節
S:140小節
T:39小節
B:13小節
C:27小節
4楽章-406小節
musictrackにて公開中!
16.4MB
396小節393小節

ブルックナーが2番目に作曲した交響曲が、このハ短調交響曲ですが、 ブルックナー自身が最初の交響曲ヘ短調に番号をつけなかったため、この曲が第1番となったようです。
交響曲第1番は1866年に完成しましたが、その後1877年、1884年に細部の改定が行われたようです。この3つのバージョンが「リンツ稿」と呼ばれています。
さらに、作曲から24年も経った1890年から約1年を費やし全面的に改訂されます。このバージョンが「ウィーン稿」と呼ばれています。
※3楽章の、Sは「スケルツォ」、Tは「トリオ」、B は「ブリッジ」、C は「コーダ」です。

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交響曲第0番 ニ短調 WAB100

稿1869年
原典版 Mus.Hs.3189
1楽章353小節
musictrackにて公開中!
17.0MB
2楽章160小節
musictrackにて公開中!
15.5MB
3楽章S:168小節
T:56小節
C:25小節
musictrackにて公開中!
8.9MB
4楽章372小節
musictrackにて公開中!
14.3MB

※3楽章の、Sは「スケルツォ」、Tは「トリオ」、Cは「コーダ」です。

交響曲0番ニ短調は、ブルックナーの3番目の交響曲で、1869年に完成しました。
ブルックナーは、この交響曲に番号を付けなかったとされています。
通称の「第0番」は作曲者が晩年にこの曲の総譜に記した"0"の文字やその他の書き込みに由来し、ドイツ語では「ヌルテ(NULLTE)」と呼びます。英語でも「No.0」とすることが一般的とのことです。

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交響曲第2番 ハ短調 WAB102

稿 1872年
キャラガン校訂版
MusHs.19474
1877年
MusHs.6034
1892年
MusHs.6035
1871~72年、1877年混合
ハース版
Cut無Cut有
1楽章 583小節
musictrackにて公開中!
23.7MB
538小節 537小節 569小節537小節
2楽章 S:124小節
T:125小節
C:30小節
musictrackにて公開中!
12.6MB
187小節 187小節 209小節187小節
3楽章 211小節
musictrackにて公開中!
18.7MB
S:125小節
T:123小節
C:33小節
S:125小節
T:121小節
C:33小節
S:124小節
T:121小節
C:31小節
4楽章 806小節
musictrackにて公開中!
21.6MB
613小節 613小節 698小節613小節

第2番ハ短調はブルックナーが4番目に作曲した交響曲です。
この曲は1872年に完成し、その後1877年、1892年に改定されました。
この曲で所謂「ブルックナー開始」が採用され、巨大な交響曲群の始まりとなりました。

※1872年稿は2楽章が「スケルツォ」、3楽章が「アダージョ」です。
※3楽章の、Sは「スケルツォ」、Tは「トリオ」、Cは「コーダ」です。
※ハース版の1、2、4楽章の1872年稿を混ぜ合わせた部分はカットが明記してあり、カットを施した場合は1877年稿とほぼ同様となります。

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交響曲3番 ニ短調「ワーグナー」WAB103

稿1873年
ノーヴァク版 III/1
Mus.Hs.6033
1876年
「アダージョ」
ノーヴァク版 zuIII/1
1877年
ノーヴァク版 III/2
Mus.Hs.19475
1889年
ノーヴァク版 III/3
1楽章746小節
musictrackにて公開中!
30.0MB
-652小節651小節
2楽章278小節
musictrackにて公開中!
19.2MB
289小節251小節222小節
3楽章S:152小節
T:116小節
musictrackにて公開中!
8.6MB
-S:160小節
T:116小節
C:41小節
S:160小節
T:116小節
4楽章764小節
musictrackにて公開中!
21.6MB
-638小節495小節

ブルックナーが5番目に作曲した交響曲、第3番ニ短調です。
この曲は1873年に完成し、前作の2番と共にワーグナーを訪ね、献呈を申し入れました。
ワーグナーは本作の献呈を受け入れ、絶賛したとのことです。
※3楽章の、Sは「スケルツォ」、Tは「トリオ」、Cは「コーダ」です。

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交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」WAB104

稿 1874年
Mus.Hs.6082
1878年
民衆の祭フィナーレ
Mus.Hs.3177 vol.3
1878-80年
Mus.Hs.19.476
1888年
Leipzig: Ernst Eulenburg
1楽章630小節
musictrackにて公開中!
-573小節573小節
2楽章246小節
musictrackにて公開中!
-247小節247小節
3楽章S:336小節
T:132小節
S:336小節
C:26小節
-S:259小節
T:54小節
S:259小節
S:255小節
T:54小節
S:191小節
4楽章616小節477小節541小節507小節

交響曲4番は、1874年に完成します。その後1878年に3楽章以外を大幅に改定し、3楽章は新たに別の曲(狩のスケルツォ)を作曲します。
1880年には終楽章をさらに改訂したため、1878年稿は終楽章だけが残され、「民衆の祭り」フィナーレと呼ばれていますが、ほとんど演奏される機会はありません。
そして、1878年の1~3楽章と1880年の終楽章を組み合わせて1878/80年稿が現在最もよく演奏されている版として定着しています。
同じ1878/80年稿でもハース版とノーヴァク版には多少の違いがあります。具体的には、3楽章の中間部において、ハース版ではOboeとClarinetがメロディーを奏しますが、ノーヴァク版ではFluteとClarinetが奏します。
また、終楽章のエンディングで、ハース版は、第1楽章の冒頭主題のリズムをTromboneとTubaが奏しますが、ノーヴァク版では、第3、第4ホルンが冒頭主題を明確な形で奏し、Trumpet、Trombone、Tubaがそのリズムを補強します。
さらに1888年に弟子のレーヴェが改定した稿は多くのカットやオーケストレーションの変更が施されています。
ここでは、まず1874年稿を自筆譜Mus.Hs.6082のコピー及びノーヴァク版を用いてmidi化し、MP3ファイルをUPします。(2019.02.16)

追記 ハース版は1936年版と1944版の2つの版があることが判りました。
1944年版では前記のとおりスケルツォの中間部の主題はOboeとClarinetがメロディーを奏しますが、1936年版ではノーヴァク版と同様FluteとClarinetが奏します。
(2019.05.24)(2019.06.5一部修正)

※3楽章の、Sは「スケルツォ」、Tは「トリオ」、Cは「コーダ」です。

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交響曲第5番 変ロ長調 WAB105

稿 1878年
原典版 Mus.Hs.19.477
1896年
シャルク改訂版
1楽章511小節
musictrackにて公開中!
512小節
2楽章211小節
musictrackにて公開中!
211小節
3楽章S:382小節
T:148小節
musictrackにて公開中!
S:384小節
T:148小節
4楽章635小節512小節
musictrackにて公開中!

交響曲第5番は1876年に一旦完成しますが、ブルックナーは1878年に自筆の原稿「Mus.Hs.19.477」に直接改定を加えました。このため当初の形での楽譜は残っていません。
また、ハース版とノーヴァク版には誤植の修正程度の差異しかありません。これは、両者とも1878年の自筆原稿を元に校訂を行ったからです。しかし、この曲の最初に出版された楽譜は、弟子のシャルクによる大幅な改訂(オーケストレーションの変更及びカット)が施されたものでした。この楽譜を「シャルク改訂版」といいます。
そこで、交響曲第5番のノーヴァク版とシャルク改訂版を同じ環境でDTM作品(MP3)を作り、聴き比べできるようにします。また、楽章ごとの小節数を示します。

@参考文献:金子建志著「こだわり派のための名曲徹底分析 ブルックナーの交響曲」

※3楽章の、Sは「スケルツォ」、Tは「トリオ」です。

第1楽章がシャルク改訂版が1小節多いのは、曲の最後に全楽器が全休符の1小節が追加されているためで、実質同じです。
第3楽章の2小節の差については、こちらをご覧下さい。
第4楽章は大幅にカットされていることが良く分かります。
第4楽章の原典版とシャルク改訂版のの差については、こちらをご覧下さい。

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